私が一番好きなネイルアートのモチーフはなんといっても植物です。季節が廻るたびに「今月は桜」「そろそろバラ」「もう紅葉の時期」と四季折々の花を描いて楽しんでいます。花アートは暦代わり。お客様のお爪には路地より一ヶ月ほど早く花咲くことになります。
横浜そごうで「ヴェネティアンビーズ展」を見に行ったとき、ちょうど私はネイル誌「ネイルUP!」の作品撮影を目前に控えていました。田賀は気分にムラがあるので、自分の満足のいく作品を作れる時と、そうでない時の差がとても激しいです。
概して刺激のない日常が続くと、ロクなものを作りません。美術館などインスピレーションを貰える場所に行くと、作品のアイデアにはしばらく困らないのですが、そうでないときは何もいいデザインが浮かんでこないこともあります。
この展覧会は、まるで銀河の星のように多彩で美しいビーズが数多く並んでいて、久しぶりに、いいお勉強になりました。惹かれたのは、「ビコローリ」という2色使いのビーズ。明るいみかん色、淡い空色、白と黒が、それぞれ2色ずつ大胆に1つのビーズに組み合わされています。
「ネイルUP!」のお題がちょうど「2色使い」だったので、「コレダ―!」と大喜び。早速、オレンジと黒とで作ってみました。やっぱり、刺激は大切ですね。
(右手の人差し指、中指、左手の中指)
通常は背景(下地)を塗ってから花を描きますが、この場合は背景が黒なので、後からのせるオレンジ(CG19のサマーオレンジ)は黒が透けて見えてきれいに見えません。なので、この場合は、下地にまずクリアを塗り、その後オレンジで花の形にジェルを2回塗りします。
花を定着したら、次にまず、黒のジェルで花の輪郭を描き、そのまま甘皮際に付かないように注意しつつ、花以外の面積を全部黒ジェルで塗ります。輪郭にはライナー筆を使い、面積が大きい部分にはフラット筆を使います。どちらにしても根気のいる作業です。黒いジェルはCGA4(ブラック)ですが、ピカエースのカラー顔料の黒を混ぜて、少し濃くして塗っています。
黒ジェルは2回塗りし、しっかり定着します。せっかく描いた花の形が崩れないように気をつけましょう。
オレンジの花の中心に墨汁でおしべを書きます。ドットの部分はアクリル絵具を使います。
クリアジェルを塗って仕上げます。
(右手の親指、左手の薬指、小指)
カルジェルのフレンチの要領で、オレンジジェルと、黒ジェルを塗り分けます。定着後、もう一度同じ工程を繰り返し、色を均一にします。
黒の上にはアクリル絵具のオレンジでストライプを、オレンジの上には墨汁でストライプを描きます。
クリアジェルを塗って仕上げます。
(右手の小指、左手の人差し指、親指)
これは簡単です。単色でオレンジか黒のジェルを2回塗りします。
黒の上にはアクリル絵具のオレンジで、オレンジの上には墨汁で花やゆりの紋様などを描きます。
クリアジェルを塗って仕上げます。
(右手の薬指)
オレンジと黒のジェルでフェザーのフラットアートを爪全体にします。
クリアジェルを塗って出来上がり。
(3Dのお花はまた今度UPします!)