休日探訪:博物館・美術館・展示会−ヴェネティアン・ビーズ展
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芸術が分からないような小さい頃から、両親に連れられてよく美術館や博物館に行きました。 学生時代はとりあえず行けば退屈しないし、お金もかからない場所だから、よく行ったという感じ。 外国の美術館・博物館なんて、学生はタダで入れますもの。 大学で学芸員過程を取りましたが、このときの博物館実習は実に面白かったです。 イギリスで、ビクトリア&アルバート美術館やポートレート美術館、自然史博物館、 大英博物館等に行って博物館熱は一気に急上昇。住めたらいいのに。

ヴェネティアン・ビ−ズ展(横浜駅下車。7月17日最終日、横浜そごう6Fにて)
久しぶりに感動しました!天然の輝石や宝石を見るのも楽しいものですが、今回はビーズ工場で名もない職人たちに作られた美しい手作りの宝石の展示会です。

水の都ヴェネティアといえば、なんといってもヴェネティアングラスが有名で、それもワイングラスなどの主なものしか私は知りませんでした。でも、確かにビーズはガラス製品ですから、ヴェネティアで発達したのが当然といえば当然ですね。実はアフリカの民族衣装につけられるビーズも、ヴェネティアから(わざわざつや消しのカラフルなビーズを作って)輸出していたと知って、とても驚きました。ヴェネティアのビーズはいまや生産している工場が数軒しかなく、レース模様のビーズなど、もう伝説となってしまった技法もあるとか。並んでいるビーズの数々を見ると、完全な球体でない、ふっくらした形のガラス玉に、小さなバラが付いていたり、ぽつぽつした突起があったり、極彩色のネオンのような模様があったりします。ひとつひとつ違う形に手作りの温かみがあり、見ていて飽きません。技術を受け継ぐ人が少ないのは、とても残念なことです。

ビーズの種類も展示されていました。
半立体の花が付いているビーズは「フィオーレ」、分厚い透明のガラスで覆われているのは、水の中に沈んだという意味の「ソンメルソ」、2色使いのビーズは「ビコローリ」などなど。透明感ある大粒のガラスビーズはじっと見ていると、まるで深淵を覗き込むような不思議な感覚におそわれます。小粒ビーズの中でも、一番小さいのは「芥子粒ビーズ」と呼ばれる1mmの極小ビーズ。これを繋いだものは、まるで絹糸のように繊細です。コンタクトをしていても数メートルの範囲しか見えないド近眼の私には、後にカタログで見てやっと微粒子のつぶつぶが見えたくらい。このビーズを糸に通すのは主に針子女性の仕事だったとか。いまやその技術も、1,2名が受け継いでいるのみだそうです。ほかに、「指焦がし」というビーズもありました。細かい模様が施された小粒のビーズです。作る際に、火元に手を近づけなくてはいけないことから名付けられたそうです。その職人技は、本当にため息が出るほどです。会場にはビーズだけでなく、ファッションジュエリーの展示もありました。それもとても見ごたえがありましたが・・・。やはり失われ、あるいは失われつつある技術が作り出した、一粒一粒のビーズのほうが心に残っています。

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last update 2007.5.10

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