休日探訪:神社仏閣
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昔から植物が大好き。高山植物が見たいがために登山していたようなものです。京都の学生時代もしょっちゅう府立北山植物園に通っていました。そんなわけで、休日出かけるといえば真っ先に植物園です。

御朱印のこと
御朱印(ごしゅいん)は、神社や寺院で参拝の記念として押してもらえます。だいたい300円くらいです。元々お寺に写経を納めた際に、「良く出来ました」ということでお寺から貰えるお札代わりの印だったとか。(今でも京都の苔寺等は納経しないと朱印がもらえません)そのせいなのか、もともと納経ということをしない(?)神社の朱印はわりにあっさりと、神社の名前が押されているだけのものが多いです。お寺の朱印は御札と同じように、梵字(ご本尊を指すもの)を押して、お経が書かれたりする豪華なものが多いです。お寺で朱印が始まり、その後に神社なのかなあ、と想像したりしています。

誰に教えてもらって、何故集めようとしたのかはもう覚えていませんが、家族で行ったお正月がきっかけだったようです。京都の北山に住み始めてからは、あちらこちらで集めて回りました。朱印帳は、和紙が屏風折になっていて、厚手で固い表紙(と背表紙)がついています。紙社やお寺で販売されているので誰でも買えます。たいてい紺色の地味なものなので、私は趣味で集めている和紙を貼って少し華やかにしています。

バチ当たり
一冊目の御朱印を集め始めたとき、世間知らずの10代だった私は、バチ当たりにも御朱印を頂いた後、その紙面に「感想を書く」というとんでもない事をやっておりました。今思えば、御札にも匹敵するといわれる、ありがたい御朱印になんということをやらかしていたのでしょう。きっと朱印所の人たちも呆れていたに違いありません。時間が許すならもう一度集めなおしたいです・・。

伏見稲荷神社(京都)
千本鳥居で有名な、京都は伏見の稲荷大社。稲荷様といえば商売繁盛ですね。この近くでは、焼き鳥と称して「すずめの丸焼き」が売られています。連れてきたニュージーランドの留学生がそれを見て泣いてましたっけ。御土産屋さんには白い狐がたくさん。鳥居は最初、大きなものから始まり、そのトンネルをくぐりながら山を登っていくと徐々に小さくなっていきます。夕暮れ時には隙間から西日が指し、朱塗りの鳥居のトンネル内は独特の幻想的な雰囲気に。山を登ると鳥居はだんだんひざくらいの高さとなり、あちらこちらに置かれています。中腹には新池と休憩場があり、その周りにはミニ鳥居が所狭しと並べられていました。帰りは、鳥居の裏側に書かれた、「奉納・○△株式会社」という奉納された鳥居の出所を見ながら山を下ることになります。小さなものには夫婦らしき連名のものも。老後の幸せを願ったものでしょうか。末永い商売繁盛と家内安全を願う心が集まった神社です。御朱印はいたってシンプル。「招福」と書かれています。

清水寺(京都)
云わずと知れた「清水の舞台」で知られるお寺です。うん、確かにこの高さから落ちたら死ぬ。奈良時代に始まり、今や世界遺産(本尊の十一面千手千眼観世音菩薩があるところ)にも登録されている名刹です。桜の時期には夜間参拝もあり、奥の院や子安の塔から見る舞台は絶景!敷地が広く、高低差があるので、全部回ると結構な距離になります。夏には休憩場でひやしあめを飲みつつ、濃い緑の中を散歩します。寺の開祖が夢の中でお告げを受け、清浄な泉を探して音羽の滝にたどり着いたのが、清水寺の由来です。なので、今も残る音羽の滝に流れる水は、延命水とも云われていて、たくさんの人たちが御利益を受けに訪れます。諸願成就、つまり願い事をかなえるということで、絵馬にはやはり試験合格祈願や恋愛成就祈願が多いです。ただ、近年舞台の表面がハイヒールで凸凹になっているとか。お寺なので、靴バッグ持たせて土足で歩くのはやめたほうがいいですよね。清水寺の周辺には二年坂とか三年坂があり、古き良き京都の町並みを見ることができます。そこで売っている焼き立てのお煎餅がうまい〜。もちろん、帰り道にずらりと並ぶ、清水焼のお店ものぞいてみるべし。御朱印はサンスクリットの花文字だそうです。

東大寺(奈良)
堂々とした「華厳」の文字、二重の蓮の台座に囲まれた如来を現す梵字の御朱印は、奈良の東大寺です。奈良は京都からも近いので、良く公園をぶらつきに行きました。小さい頃は、斑鳩の里や山辺の歌碑の道をサイクリングしたりしました。田賀が京都、長野と同じくらい大好きな場所です。奈良駅を出て、奈良公園を歩いていくと、寒い時期には焼き芋屋が出ています。焼き芋を買って、座って食べていると、鹿が寄ってきます。遠くから見ている分には可愛いのですが、近くだと結構大きい。それがイモ狙いで早歩きしてくるので、あまりのんびりもできません。ある日、お行儀悪いと思いつつ、芋を歩き食べしながら東大寺に向かって歩いていたら、お土産屋の人たちが私を見て笑うので、なんだろうと振り返ると、10頭位の鹿がブレーメンの音楽隊みたく、連なっていたことがありました。振り向いた途端、イモはあっという間に鹿に食べられてしまい・・・。でも、やっぱり慣れていて可愛いですね。本体を造るのに5年以上かかったとされ、約15メートルある大仏様(盧舎那仏)は何時見ても貫禄ですが、私はお隣にいる虚空蔵菩薩像の穏やかな顔も好きです。大仏殿から少し上ったところにある、二月堂でのお水取りは、大きなたいまつを持って木造建築を駆け巡る、平和と豊作を願う儀式です。いつ飛び火して火事にならないかと、見ているほうはひやひやしています。東大寺南大門の両側に立っている金剛力士像は、いつみてもド迫力ですね。同じように見えますが、片方が口を開けていて、片方は閉じているのはご存知ですか?

法隆寺(奈良)
「南無佛」の、まるまるした字に好感が持てます。1993年にユネスコの世界文化遺産のリストに日本で初めて登録された、1400年の歴史を持つ世界最古の木造建築です。御本尊は薬師如来。推古天皇と聖徳太子が作ったということは、小学校のときに習ったような・・・。拝観料は1000円ですが、御朱印は入らなくてももらえます。奈良の大仏からは少し遠いのですが、是非行ってみて下さい。飛鳥文化の粋が今に伝えられているのを目の当たりにすることが出来るでしょう。法隆寺内は国宝、重要文化財の宝庫で、その数実に200点近く!夏の暑い盛りに、ふうふう言いながら訪れたこともありました。熱気がゆらゆらと立ち上る中で法隆寺を見ると、そのあたりから飛鳥時代の人が見えそうな気がしたり。その佇まいが幾星霜を経ても変わっていないということに、しみじみと古代ロマンを感じるのであります。

浅草寺(東京)
仲見世通りでいつも引っかかるので、なかなか雷門をくぐることができません。現在の浅草寺は都内最古の寺といわれつつも、不運にも何回も火災で焼け、そのたびに再建されてます。まず雷門は昭和35年に松下電器の松下幸之助さんにより、鉄筋コンクリート製で生まれ変わりました。(雷に由来のある門かと思ったら、風神雷神が門の両脇に祭られているので、「風雷神門」が略されて「雷門」になったそうです。略された風神の立場は一体・・・)宝物殿と本堂は昭和20年の空襲で焼けた後、ホテルニューオータニの大谷米太郎さんの寄進で昭和39年に立て直されています。本尊は聖観音菩薩像です。御朱印にも「聖観世音」と書かれていますね。江戸っ子らしい、粋な書体だと思いませんか。

永平寺(福井)
私の故郷は福井県です。福井といったら、永平寺と自殺の名所の東尋坊とカニくらいしか、思い浮かぶ人がいないかも知れませんね。一応ウンチクをたれてみれば、まず永平寺は、歴史の教科書にも出てきた曹洞宗の道元禅師が開祖です。今から750年位前に作られました。現在は信徒800万人、末寺1万5千の大本山となっています。たびたび火災に遭っているので、国宝は座禅のあり方を書いた「普勧坐禅儀一巻」のみ。観光に行くと、お坊さんが寺の中を案内してくれます。私達が行ったときには、テキパキした25歳くらいのお坊さんが、「私達修行僧にカメラは向けないで下さい、それから歩くときには・・」と手際よく説明してくれました。御朱印を書いてくれたお坊さんも若くてなかなか立派な顔立ちでした。不謹慎ですが、永平寺は美ボーズ揃いというのも、うわさだけではないかも・・と思ったり。東尋坊には一度しか行ったことがありません。国の天然記念物というのも、随分してから知りました。ましてや世界三大奇勝の1つというのは、本当に数年前に知りました。(ほんとかなあ?)高さ50メートルの断崖絶壁で、冬に日本海の荒々しい波が打ち付ける様は本当にダイナミックです。なんでも、これだけ大きい柱状節理(マグマが固まって岩石になるとき、冷え方によって割れ目のでき方が、長く規則正しい柱状になっているものをいいます)は珍しく、世界でも3箇所しかないんだとか。カニについては、この場で話すのもなんですが・・。田賀は基本的に好き嫌いがないのですが、「カニミソ」だけは苦手なんでございます。今でも冬になるとカニがたくさん食べれますが、もっぱら足専門です。ちなみに私が生まれた町は、永平寺からも、東尋坊からも、カニがとれる海岸からも、遠く離れています・・。

松ヶ崎大黒点(京都)
私が京都に4年間下宿していたところは、この大黒天の鳥居をくぐった参道沿いにあった「松風荘」というところでした。水子供養で有名なこの神社、行ってみるとたくさんの風車が境内に並んでいて、風に吹かれてカラカラ回っていました。理由は様々にしろ、日の目を見ることなく絶たれた小さな命のことを思い・・・、結局、御朱印目当てに訪れた一度きりのご縁となりました。大黒天の名にふさわしく、黒々と力強く書かれた墨書です。ちなみに、この神社の麓にあった私の下宿、「出る」ことで有名でした・・・。誰もいないはずの下宿で、誰かが電話に出ていたとか、お坊さんの幽霊を見たとか、ラップ音がするとか。私は4年間、一度も見ませんでしたけど。

銀閣寺(京都)
銀閣寺は大好きで、何度も足を運びました。しかし!御朱印はハンコで当たり前ですが、ナント字までハンコとは!天下の観光名所が嘆かわしいったらありゃしません。確かに場所が狭いんですが・・・。これを貰ったときにはガッカリしましたが、とにかく銀閣寺は庭園が美しく、金閣寺に比べればこじんまりとした敷地はコケに彩られ、いろいろな木々が四季を通して目を楽しませてくれます。知られざるキノコの名所でもあったりして。秋になると庭園内でも小さなキノコが生えていますが、敷地の裏では舞茸がたくさん採れるそうな。(最近は、朱印所でちゃんと墨で書いてくれるようになりました!)銀閣寺から永観堂、南禅寺方面に1,5kmほど伸びている「哲学の道」は、日本の道100選にも選ばれた、川沿いの素敵な散歩道です。春の桜、夏の蛍、秋の紅葉など、四季折々の美しい表情が楽しめます。風車が目印の小物屋「風の館」では、かわいい和紙のモビールが風にゆれ、あちらこちらで八橋のいい香りが漂い、お茶屋「叶匠寿庵」では庭を見ながらお茶を飲み・・・。京都のMyBestはやっぱり、ここでしょう。面白いと思ったのが、叶匠寿庵のお庭で、ところどころの小道の先に、丸いこぶし大の石を、細い縄で十字に縛ったものが置いてあったこと。建築家の父に聞いたら、「この先は立ち入り禁止」という意味だそう。なるほど、だから石を縛ってあるのね・・・。盛り塩と同じく、日本のシンプルかつシンボリックなオブジェに暫し感心したのでした。

満足稲荷神社(京都)
この神社は、忘れもしません、確か自転車で平安神宮の近くの美術館から北山に帰るとき、たまたま通りかかった神社です。なにやら、境内に車は止まっているし、鳥居も暗い感じだし・・・。朱印帳を持ち歩いていた私は、こんな風に小さくて寂れている(ゴメンナサイ)神社にも朱印ってあるのかしらん?と不思議に思い、そのとき境内で軽自動車を洗っていたおじさんに「御朱印はいただけるのでしょうか」と聞いてみました。そうすると、おじさんは二つ返事で、すぐに本堂の横の小さな建物に入り、私の目の前で用意をし始めました。何時使ったのか分からない硯は、墨汁が硬くこびりついています。筆もカチカチです。その筆を丁寧に墨でほぐしつつ、一字一字几帳面な字で「満足稲荷神社」と書いてくれました。しかし、なんだか朱の色が他と違う・・・。古くなっているんだろうか・・・。祭られている狐は、通常稲と玉を咥えているそうで、朱印に押されているのはその玉だそうです。お土産に狐と小判のキーホルダーを頂きました。数ある寺社めぐりの中でお土産を頂いたことは初めてで、わたしはいたく感激し、神主さんありがとう。また必ずお参りにいきます、と別れを告げました。その後、家に帰って調べてきたら、なんと、もともとは伏見桃山城の守護神として祀られていたとあるではありませんか。かの豊臣秀吉がこの神様のお陰で天下統一の夢を叶えられたので、そこから「満足」と命名したと伝えられているとか。ありがたく由緒ある神社だったのですね・・・。お稲荷様は、開運、商売繁盛の神様です。

八坂神社(京都)
この御朱印の字は、なんともはんなりとして、京都の「粋」な精神を感じさせます。7分咲きの桜を狙って、早速丸山公園に出かけたのはいいのですが、あいにくの雨。とぼとぼと自転車をひきつつ、せっかくだから八坂様にお参りしようと思い、出かけていきました。雨の日の桜も情緒があっていいものですが、花の色があせてしまうのと、湿って半透明になった花が痛々しげです。スサノオノミコトと、クシイナダヒメノミコトを祭る八坂神社は祇園社とも呼ばれ、スサノオノミコトがヤマタノオロチ(大蛇)を追い払ってクシイナダヒメノミコトを救ったという伝説にちなんで、厄除け、商売の神として親しまれています。もともとは、朝鮮からやってきて日本に帰化した八坂氏が、自分の国の神様を祭ったのが始まりだとか、神社の創建には諸説あるようです。「すいません、御朱印をいただけますか」と差し出した先に、「ハイ」とそっけない返事を返してくれたのは、いかにもバイトです、と言った風情の若い巫女さんでした。この人、ちゃんと字書けるのかしら、と一瞬疑った私。ゴメンナサイ。素晴らしい字です。思い切りが良く、しかし限りなく優美な、祇園らしい雰囲気が出ていますね。巫女さん、ありがとう。八坂神社は初詣の神社としても賑わいをみせ、境内には、祇園に立ち並ぶ飲食店が奉納した提灯が数多く並んでいます。

朱印帳を忘れたときは…
朱印帳を忘れたときは、紙に書いてもらいあとで貼り付けます。私が朱印を集めているのを知っているお友達は、観光地からいろいろと持ち帰ってきてくれます。真ん中は、会社のパートナーが京都から持ち帰ってきてくれた、願いが叶うお寺として有名な「鈴虫寺」の御朱印です。

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last update 2007.5.10

自己紹介

  • 小話第一幕|ネイルを始めたきっかけとイギリス時代
  • 小話第二幕|日本に帰るきっかけになったこと
  • 参考資料|アートのアイディアはあちこちに転がっています
  • 趣味娯楽|飽き性な私の趣味を少しご紹介します