自己紹介 爪飾画廊 創作心得 日々徒然 撮影秘話
2007/08/17 Friday
この間の休日に。

田賀は日曜日に33になりました。月日が経つのは早いものです。祖母(今93歳で元気いっぱい)と同じくらい生きるとしたら、人生の三分の一は過ぎてしまったことになります。あと三分の二で、人生でやりたいことが全部できるのか・・・。
とりあえず、目先のやりたいことをしていくことから始めてみましょう。
さして人生で重大なプランもない私は、いつものように妹と展示会に行くことにしました。

この間「インカ・マヤ・アステカ展」に行ってきたことを書きました。繰り返しになりますが、あのあたりの古代文明にはとてつもないロマンを感じます。今少しずつ解読されている絵画のような美しい古代文字、建機もない時代に築かれた空中都市、日没によって出来る影を利用して季節を告げるピラミッド・・・。まだ人間が自然の一部で、彼らにとっての神々を身近に感じていた時代です。人々は想像するだけでなく、それを実現する実行力と技術を十分に備えていたのは驚くべきことです。
この上野は科学博物館で行われている展覧会、ともすれば混同しがちな3つの文明を分かりやすく年表で表していて、展示物のほとんどが日本で未公開という大変見ごたえのあるものです。是非行ってみてくださいね。

で、今回は都美で行われている「トプカプ至宝展」に行ってまいりました。強大なオスマン帝国の頂点に君臨するスルタンの居城と、後宮であるハーレムの調度品や宝飾、武具等の展覧会です。これも楽しかった!私はまず、「花押印」という、スルタンの豪華なサインに目を奪われました。勅命を出すときに、日本なら署名や印鑑、ヨーロッパならサインや封蝋などで権威を伝えましが、このスルタンの印は、肝心の文章よりも大きく描かれていて、まるで花の文様のように美しいのです。これは後で、図録でじっくり見なければ!
スルタン自身やハーレムの妃たちの宝飾品は、大粒のエメラルドやダイヤがふんだんに使われていてまさしく豪華絢爛、至宝の名にふさわしい品々でした。身に着けるものはもちろんですが、ミニチュアの香水入れ、指輪入れ、小物入れなどの細工が非常に繊細です。金よりも価値のあった青磁は、直径50cmの大型。あんな時代に、こんな大きなものを皹も入れずに焼成できるなんて!ため息をつくことしきり。
しかし、即位すると他のスルタン候補の兄弟は処刑し唯一の王となるスルタンは、実は孤独だったかもしれません。後宮は日本の大奥と同じでスルタンの愛を勝ち取るためにきっとドロドロした愛憎劇があっただろうし。と思うと、美しいこの至宝(きっと職人が丹精こめて作ったに違いありません!)の数々でみんな心を癒していたのかなあ、なんて考えてしまうのであります。
この展覧会では、日本皇室に男児誕生という慶事に、門外不出だったスルタンの「金のゆりかご」がはるばる送られてきて展示されています。キラキラ光る金のゆりかご、まさしくタマのような赤ちゃんが寝ていたんだろうなあ、としみじみ眺めていました。図録にはバラの香りのついた名刺大の紙がくっついています。早速財布に入れています。とてもいい香りです。

そのあと、13時から渋谷文化村で「アクロバティック白鳥の湖」を観ました。これは3月ごろにチケットを取ってからずっと楽しみにしていたものです。これはすごかった・・・・。
人間の体はあそこまでしなやかになれるのかと、開いた口がふさがりませんでした。ヒロインの動きは白鳥以上に繊細な羽ばたきを表現し、腕に5つくらい間接があるのか、または骨が入っていないんじゃないかと思うくらいでした。・・・イヤ、文章にするとなんだか安っぽいな・・・。
ヒロインの白鳥が王子様の肩の上や頭の上で、もちろん支えなしで行うアラベスクは一番のハイライトですが、この練習では王子役(実はこの雑技団の副団長)の肩の肉がえぐれて骨が見えたとか、頭蓋骨に皹が入ったとか、想像を絶するような過酷な裏舞台があったようです。王子様、最初はのんびりと世界を周遊している役ですが(一応白鳥を探して入るのですが)、後半の力技の連続は本当に息を継ぐ間もないほどでした。舞台の全てが、優雅に見えても水面下では必死に泳いでいる白鳥の姿と重なります。これは言葉よりも、まずは見に行ってみてください!

盛り沢山の誕生日企画でした・・・・帰りは海鮮料理で〆。(←美味しかった!)
妹からは可愛い小銭入れときれいな模様の入ったペーパー、キーホルダーや温度計、時計をプレゼントにもらいました。ありがとう〜プレゼントって嬉しいな・・・。
休日に一緒に過ごせるのが一番楽しいんですけどね。